映画「七つの会議」(2019)

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(By official account @nanakai_movie)

ストーリーは、香川照之さん演じる北川営業部長が時間ぴったりに定例会議へ到着し、威圧的に原島(及川光博)率いる営業二課を叩くシーンから始まります。

いいかお前たち、必要なのは実績だ!
結果が全てだ。どんな手を使っても良い。
徹底的に売って、売って、売って、売り倒せ!
死に物狂いで数字を上げろ!…返事ぃーー!

そんななか居眠りしていた営業一課係長で同期の“居眠りハッカク”こと八角(野村萬斎)は北川部長に目をつけられ、バチバチかと思いきやなぜかお咎めなし。

その後八角は、上司でありノルマ達成のため仕事を押し付け皆んなの前で叱責する坂戸課長(片岡愛之助)をパワハラで訴えます。そして、北川営業部長のお気に入りでありトップセールスマンであった坂戸は、なぜかあっさりと人事部付けで飛ばされてしまいます。これは異例な人事でしたが、のちにちゃんとした理由が分かります。

 

営業一課長になった元営業二課長の原島ですが、北川部長に叱責され、思わず腰が引けた瞬間にパイプ椅子が壊れてしまいます。このシーン、とてもとても大事です。そして、セリフの一つ一つにしても及び腰なミッチーの演技がコミカルでもあり、脇役として主人公に負けないくらい重要な役割を担っていて、素晴らしい役者さんだなと。

上司である原島に内緒で、コストが安い下請会社(トーメイテック)の発注をやめて、以前契約していたコストの高い町工場(ネジ六)に受注を変えた八角。そしてその理由を探ろうとする者は次々と飛ばされていきます…。それでも暴こうとする原島たち。そして、ついに事実を突き止めますが…それは八角が20年間抱えてきた会社の存続に関わる大きな組織の闇でした。

その最終判断は組織のトップである親会社ゼノックスの徳山社長に委ねられます。しかし…会社という組織の罪なのか?それとも個人の罪なのか?といったところで、会社は不祥事を隠蔽することに。八角はもちろん抗議しますが、「この会議に議事録は存在しない」と切り捨てられてしまいます。
ちなみにここで出てくる北大路欣也さんの絶対君主的なエンペラー感もまた見どころです。

会社の判断に不服な八角。更にこの会議中にこれまで集めてきた証拠もすべて押収されてしまい絶望します。しかしその時、同期である北川がふと残っていた証拠を発見し、二人はサラリーマンとしての覚悟の意志を固め…不祥事をマスコミにリークします。それによって会社は大きく傾き、ゼノックスの隠蔽がニュースで大々的に取り上げられ、不祥事が連日報道に…といったところで最後に出てくる調査官こと役所広司さん。最後まで折り目正しく楽しませてくれる映画でした。

この世から、不正はなくならない。絶対に。
…20年間ずっとこのことを考えていました。

七つの会議って?

観終わって率直な感想を述べると、「七つの会議」ってどういう意味?でした。会議が七つあったようななかったような…これは原作を読まないときっと謎が解けないので、映画から小説を読もうと思えるようなパターンの映画だったなと。個人的には、会議のシーンでもっとぶつかり合う姿を見てみたかったのと、どんな一流企業でも、理不尽なことをされてるのは周りは分かってるけど口に出して言えないよね、という状況はあると思っていて、今の時代に半沢直樹をはじめこういうストーリーが流行る理由は誰しもそういうものを見たことがあるからなのかなと。とはいえ映画やドラマはあくまでもフィクションで、現実として映画より良いものを沢山見てきたなと自負できた貴重な時間でした。
面白そうと思った方はぜひ見てみてください♪


「七つの会議」予告

 

七つの会議

七つの会議

  • 発売日: 2019/09/11
  • メディア: Prime Video